長崎県平戸市には、日本最古の茶畑があります。
この茶畑は、今から800年以上昔の1191年にお茶を日本に初めて伝えた禅僧・栄西が開いたと言われています。
この茶畑は、「富春園(ふしゅんえん)」と呼ばれており、ここにお茶が植えられた当時、栄西が建てた禅庵「富春庵(ふしゅんあん)」があり、その禅庵の裏山でした。
富春園という名前の由来は、栄西が禅を学んだ天台山万年寺のある浙江省の大河・富春江にちなんで名付けたと言われています。
富春庵では、1191年8月に栄西が中国から帰港してまもなく、地元の漁師数十名を集めて、禅規が開かれました。これが日本で初めて禅が紹介された瞬間でした。
栄西は、その後1211年に日本で最初となるお茶の本「喫茶養生記」を著します。
「喫茶養生記」の中で紹介されているお茶は、抹茶で、製茶方法としては、抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)の製法が紹介されています。
また栄西は、「喫茶養生記」の中で「茶は万病の薬」として紹介しており、「喫茶養生記」を著した4年後、75歳でその生涯を閉じます。栄西の生きた鎌倉時代は平均寿命は24歳とも言われており、栄西は驚異的に長寿だったと言えます。
現在では、千光寺という禅寺がこの地に建立されており、富春園の茶畑も長崎県内の茶農家の有志により守られており、毎年献茶式も行われています。
日本最古の茶畑は、各地にありますが、ここ平戸の富春園は栄西が開いた最初の禅庵「富春庵」に隣接することもあり、特別な地と言えます。しかし残念なことにこの事実はあまり知られていません。
長崎のお茶は、日本最古の歴史を持つということを広く世界に伝えることができたら、日本茶の歴史にもさらなる厚みができ、さらに面白くなると思ってやみません。